1886年の第8回印象派展には、ピサロの推薦を受けたスーラとシニャックが出品し、大きな話題を呼びました。印象派の筆触分割に感化された二人は、独自の点描技法を考案します。感覚を重視して描いた印象派とは対照的に、彼らは厳密な理論に基づいて色彩を配置しました。スーラが、光学や色彩学などの科学的な知識を応用したことはよく知られています。その静謐な画面は、小さな点が生み出す無数の色彩のコントラストによって輝きを放ち、巧みなグラデーションの効果とともに、光がおりなす微妙なニュアンスをよく伝えています。シニャックは、1891年にスーラが夭逝した後、新印象主義の理論を広く世に普及させることにも貢献しました。
海辺に住み、ボートを操ったシニャックは、海景を好んで描きました。華やかな色彩とモザイクのような大き目のタッチで満たされた画面は、シニャックの後期作品に典型的な、流麗な装飾性に溢れています。
スーラ特有の静けさに満ちた、詩情豊かな海景画。はるか沖や防波堤の水平線、入り江や崖の曲線、ボートや屋根の三角形などが、見事な調和を保って構成されています。額縁にも彩色が施され、画面との連続性が保たれています。