作品紹介

第3章 セザンヌとセザンヌ主義

1874年の第1回印象派展、77年の第3回展に出品したセザンヌでしたが、やがて自らの進むべき方向との違いに気づき、エクス=アン=プロヴァンスで孤独に制作に励むことになります。セザンヌが求めたのは、「堅固で永続的な」芸術でした。りんごや人物の表現に見られるヴォリューム感、堅牢に組み立てられた画面構成、平面的な筆触を重ねて生まれる独創的な空間表現など、その斬新な成果は、キュビスムや抽象絵画など、後世に多大な影響を及ぼすことになります。当時のセザンヌは、公には作品をほとんど発表していませんでした。しかし、ゴーギャン、ベルナール、ナビ派など、一部の若い画家たちに熱狂的に支持され、まずは彼らの間にその影響は広がっていきました。

ポール・セザンヌ《水浴の男たち》

ポール・セザンヌ《水浴の男たち》

戸外で水浴する人物の群像を、セザンヌは繰り返し描きました。ここでは、晴れやかな色彩の風景の中で、裸の男たちが、調和のとれた三角形の構図で描かれています。近景の三人を中心に、中景そして遠景にも人物がバランスよく配置されています。

ポール・セザンヌ《篭の静物、または台所のテーブル》

ポール・セザンヌ《篭の静物、または台所のテーブル》

セザンヌは生涯を通じて数多くの静物画を制作しました。セザンヌの静物画の中でも最も有名な作品の一つであるこの作品では、篭、果物、壺といったモティーフを複数の視点から捉えるアプローチが非常にはっきりと伺われます。

モーリス・ドニ《セザンヌ礼賛》

モーリス・ドニ《セザンヌ礼賛》