作品紹介

第4章 トゥールーズ=ロートレック

南仏の名門伯爵家に生まれたトゥールーズ=ロートレックは、思春期の大怪我がもとで足の成長が止まり、幼少の頃より才能を発揮していた画業に専念するようになります。1882年にパリに出た画家は、大規模な歓楽街のあったモンマルトルに親しみ、賑々しい享楽の世界と、そこにたくましく生きる踊り子、娼婦、芸人などを、ときに辛辣に、またときには深い共感をもって描くようになりました。そして、画風においても、心酔していた印象派の影響を次第に脱していきます。素早いスケッチ風の独自のスタイルは、虚飾の背後に潜む、人間の真の姿を露わにするかのような的確さを備えています。

アンリ・ド・トゥール−ズ=ロートレック《女道化師シャ=ユ=カオ》

アンリ・ド・トゥール−ズ=ロートレック《女道化師シャ=ユ=カオ》

ムーラン=ルージュでダンスを披露していたシャ=ユ=カオはロートレックの作品に幾度となく登場します。ロートレックは、出番の前に衣装をつけているシャ=ユ=カオを大胆な斜めの構図を用いながら、色彩のコントラストを際立たせて描き出しています。

アンリ・ド・トゥール−ズ=ロートレック《黒いボアの女》

アンリ・ド・トゥール−ズ=ロートレック《黒いボアの女》

アンリ・ド・トゥール−ズ=ロートレック《赤毛の女(化粧)》

アンリ・ド・トゥール−ズ=ロートレック《赤毛の女(化粧)》